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節税保険について


皆さん、こんにちは。

安井事務所の青山です。

祇園祭の先祭りの巡幸の日となりました。

巡行が後先に分かれて数年たちますが、分けた効果ってあるのでしょうかね?

長いこと京都に住んでいますが、巡行が2回あることにまだ慣れません。

さて、今回のテーマは節税保険です。

ご存知の方も多いと思いますが、今年の2月に急に節税保険についての税務上の処理方法が変わるという話が飛び出して、生命保険会社の方々が大慌てになるということがありました。

まず、節税保険とはなんぞや、といいますと、コトバンクの知恵蔵には以下のように記載されています。

「大手生命保険会社などが、中小企業の経営者らを対象に、加入による節税効果をアピールして販売する法人向け定期保険のこと。保険料を会社の経費に計上して利益を圧縮すれば節税につながるため、経営者らの間で人気となり、各 保険会社の営業が過熱している。 経営者や役員らが死亡した際などに保険金が支払われ、事業におけるリスクをカバーする。保険に加入すれば、場合によっては経営者らが支払った保険料の 全額を会社の経費として計上できるため、法人税の課税対象となる利益を減らし、税負担を軽減できる。また、加入して一定期間後に解約すれば、支払った保険料の多くが解約返戻金として戻ってくる。返戻金は、経営者の退職金などの経費にあてれば、課税対象とはならない。」

上記のように、経営者自らの退職金原資に保険に加入していたということが多くあったのですが、保険に加入して節税するという法人が数多くあり、あまりの節税で税収の減少に怒った国税庁により、今回の改正がなされたなんていううわさ話もあります。

国税庁は、上記のような保険に関しては新しいルールを策定し、最高解約返戻率が50%を超える保険に関しては、一定額を資産計上するように変更したため、従来のような解約返戻金を狙った節税手法が使いにくくなりました。

ただし、これは新しく契約した保険については新ルールで経理処理をしないといけないということなので、今年の2月以前に契約した保険に関しては、従来通りの経理処理で問題ないので、ご安心ください。

 

では、具体的にはどのような経理処理に変更されたのかと言いますと、最高解約返戻率により以下の3つに区分けされます。

①50%超70%以下

▼資産計上期間

保険期間の開始から40%に相当する期間まで

▼資産計上額(残額を損金計上)

支払った保険料の40%を資産計上

②70%超85%以下

▼資産計上期間

保険期間の開始から40%に相当する期間まで

▼資産計上額(残額を損金計上)

支払った保険料の60%を資産計上

③85%超

▼資産計上期間

保険期間の開始から最高解約返戻率となる期間の終了まで

▼資産計上額(残額を損金計上)

支払った保険料の最高解約返戻率×70%を資産計上

(保険期間開始日から10年経過日までの期間は90%)

 

如何でしょうか?以前であれば、解約返戻率が高ければ高いほど、将来戻ってくるお金が多い(将来解約したときにもらえるお金が多くなる)ということで、 解約返戻率が高い商品ほどよく売れるということがあったのですが、今回の改正で、解約返戻率が高いほど資産計上しないといけない金額が高くなり、その分経費で落とせなくなりますから、以前に比べて節税効果が低くなっています。

では、具体的に数字を使って説明しますと、

例、1年あたりの保険料1,000、20年後に解約返戻率が95でピークとなる場合

今年の2月以前に契約した保険で、保険料の内、半分を経費で落とせる保険であれば、 1,000保険料を支払っても、その内500を経費で落とせて、その500の30%で150の法人税が節税できていたわけですね。

これを20年繰り返せば、

支払った保険料2,000

経費で落とした保険料1,000

節税できた法人税3,000

となり、20年後の解約返戻率が95%のため、19,000の解約返戻金とな ります。

保険を支払っていなければ20年間で3000の税金を支払っていた わけですので、手元には17000のお金が残っていたわけですが、保険を使っ たことで手元に19,000のお金があるわけですから、2,000トクしたことになりますよね。

これが、新制度では、 上記③85%超に該当しますので、契約から10年間は1,000保険料を支払っても、 855資産計上ですから、145だけ保険料として経費で落とせて、その30 %の43.5だけ法人税が節税出来ることになります。

11年目から20年目は計算方法が異なり、支払った保険料1,000の内、 665が資産計上となりますので、335が保険料として経費で落とせますの で、その30%の100.5だけ法人税の節税が出来ることになります。

これを20年繰り返せば、

支払った保険料20,000

経費で落とした保険4,800

節税できた法人税1,440

となり、20年後の解約返戻率が95%のため、19,000の解約返戻金とな ります。保険を支払っていなければ20年間で1,440の税金を支払っていた わけですので、手元には18,560のお金が残っていたわけですが、保険を使っ たことで手元に19,000のお金があるわけですから、440トクしたことになりますが、旧制度に比べると、オトク度が低くなりましたよね。

となると、今までは節税効果で企業・保険会社共にトクしていたわけですが、 新制度の下においては、今までのような保険の使い方は出来なくなってしまうわけですよね。

また何か新しい商品が出てくるかもしれませんが、当分の間は保険を使った節税は難しくなると思われますので、ご注意ください。!

 

■第46回異業種交流勉強会のお知らせ  

★日時  

2019年7月19日(金)

18:00~20:00

★場所   

ハートピア京都  

京都市中京区烏丸通竹屋町角

地下鉄烏丸線 丸太町駅下車5番出口すぐ    

★内容   

今年度の「法改正」について

今年度の目玉税制改正をご紹介いたします。

また、労働関係では法改正や、今後の対応について。

助成金や補助金の話も交えて、お伝えします!!!

お得情報を吸収し、自社で活用してください!        

参加者限定資料等をデータでプレゼントします!!

★持ち物  

筆記用具、電卓  

★参加費  

関与先様:5,000円  

一般:7,000円

☆勉強会後(20時頃から)懇親会を開催致します!

ご参加される方はプラス5,000円となります。

※参加費は、当日頂戴致します。  

★お申込

税理士安井伸夫事務所 青山まで  

075-256-8628  

こちらからも詳細確認、お申込み出来ます!↓    

★申込期限・キャンセル期限   

2019年7月16日(火)の17時までとさせて頂きます。  

★ご注意    

ネットワークビジネス、宗教、各種団体・セミナー等の勧誘目的の参加はご遠慮願います。

 

■トップマネジメントセミナーのお知らせ

会計・数字の知識は、会社経営をするにあたって必要不可欠です。

ですので、 経営者・後継者・経営幹部は避けては通れない知識です。

このセミナーを受講することで、会社を成長・存続させるために必要な数字を読み解く知識が身に付きます!

▼開講セミナー

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どれだけ多額の赤字を出しても、生き残っている会社はいくらでもあります。

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貸借対照表を読み解き、会社の財政状況 を把握し、「健全な会社=健全な貸借対照表」を目指しましょう!

〇損益計算書(全1回)

損益計算書を見れば会社は本業で稼いだの?

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何か特別な理 由で利益を捻出したの?

その理由が一目で分かります。

「会社の成長=本業の利益」。

まずは、本業で利益が出ているのか一緒に確認しましょう!

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〇未来会計図(全2回)

損益計算書を変動損益計算書に作り替えれば、目標利益を出す為にはいくらの 売上高が必要か?社員を1人増員した場合、いくら利益が残るのか?等々、利 益を残すための方法が見えてきます。さらに変動損益計算書を未来会計図に置 きかえれば数字が苦手な方でも一目で会社の利益構造が把握でき、どこに手を 打てば利益が出るのかが分かります!

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決算が終わる度に銀行へ提出している決算書。

銀行は決算書で何を行っている か知っていますか?実は、決算書の金額を元に経営分析を行い、信用格付けを しています。相手の手の内を知れば、対等な立場で交渉が行えますが、『信用 格付け』をすることで会社の現状を見つめる良い機会にもなります。このセミ ナーを通してじっくりと自社を見つめてはいかがでしょうか?

▼セミナー時間

1回 2時間

▼開催日程

まずは075-256-8628までご連絡下さい!

お客様の日程に合わせて 随時開催致します。

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