こんにちは!
安井事務所の次原です。
今回は、「借入をしている銀行から決算書等を提出して下さいと来たらどうする?」です。
新型コロナウイルスの影響で売上が下がり、今回初めて借入申込をしたんです、、、という方が多いはずです。
借入の申込みをするのに法人税申告書や確定申告書、決算書を提出したかと思いますが、法人申告時期や確定申告書の時期になりますと、法人税申告書や確定申告書、決算書の提出を求められるかと思います。
決算書等の提出を求められたとき、それを拒否してもいいのでしょうか?
結論、拒否は出来ません。
提出する義務があります。
その理由は、借用証書に記載されています。
今回、新型コロナウイルスの影響で売上が下がった会社は、日本政策金融公庫で無担保・無利子の融資申し込みをした方が多いと思いますので、日本政策金融公庫の借用証書に記載されている特約条項をもとに解説していきたいと思います。
日本政策金融公庫の借用証書の特例条項には以下のように記載されています。
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第10条(報告および届出)
1 借主および連帯保証人は、自己の財産、経営、業況その他について公庫から請求があったときは、直ちに報告し、また調査に必要な便益を提供します。
2 借主および連帯保証人は、次の各号の一に該当する場合には、公庫からの請求がなくても直ちに公庫に届けます。
(1)自己の財産、経営、業況その他について重大な変化を生じたときまたは生ずるおそれのあるとき。
(2)自己の名称、商号、代表者、住所、営業所等の届出事項に変更を生じたときまたは生ずるとき。
3 前項第2号の届出を怠ったため、公庫からなされた通知または送付された書類等が延着し、または到着しなかった場合には、通常到達すべき時に到着したものとみなされても異議を述べません。
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なので、日本政策金融公庫から経営状況、業況確認のため、法人税申告書や確定申告書、決算書の提出を求められたら、提出しなければなりません!
この条文は借用証書にたいがい記載されているかと思います。
じゃぁ、提出要求を無視したらどうなるのかというと、「今すぐ貸したお金返してくれる?」となります。
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第2条(期限の利益の喪失)
借主は、次の第1号から第5号までのいずれかに該当した場合には公庫からの通知催告がなくても当然に、第6号から第10号までのいずれかに該当した場合には公庫からの請求によって、本借入金債務について期限の利益を失い、借主および連帯保証人は直ちに債務の全額を弁済します。
(1) 借主が支払を停止したとき、借主に破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の申立があったときまたは借主が精算に入ったとき。
(2) 借主が手形交換所の取引停止処分を受けたとき。
(3) 借主が住所変更の届出を怠るなど借主の責に帰すべき事由によって、公庫において借主の所在が明らかでなくなったとき。
(4) 借主が本借入金債務その他公庫に対する債務のいずれかを期限に弁済しなかったとき。
(5) 借主に仮差押、差押もしくは競売手続の開始があったときまたは借主が租税公課を滞納して保全差押を受けたとき。
(6) 借主が本借入の前後を問わず公庫に対し、不実の申出もしくは報告をし、または必要な事実の申出もしくは報告を怠ったとき。
(6)の2 借主または連帯保証人が暴力団員等もしくは前条第1項各号のいずれかに該当し、もしくは同条第2項各号のいずれかに該当する行為をし、または同条第1項に基づく表明および確約に関して虚偽の申告をしたことが判明したとき。
(7) 借主が本借入金を公庫が認めた資金使途以外に使用したとき、借入後長期にわたり使用しなかったときまたは特定の融資制度の対象者要件を満たさなくなったとき。
(8) 借主または連帯保証人が本契約の一にでも違反したとき。
(9) 連帯保証人が第1号から第5号までのいずれかに該当したとき。
(10) 公庫がその他債権保全を必要とする相当の事由が生じたと判断したとき。
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嘘の報告することはもちろんアウト!となりますが、必要な申出もしくは報告を怠ると、「今すぐ貸したお金返してくれる?」となります。
また、ついでなので、お伝えしておくと、重大な変化が生じた時や生ずるときは銀行に報告しましょう。
例えば、会社の住所が変更となった、代表者を変更した、法人成りをしようかなと考えている、、、など。
重大なことであれば、「今すぐ貸したお金返してくれる?」となります。
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第10条(報告および届出)
2 借主および連帯保証人は、次の各号の一に該当する場合には、公庫からの請求がなくても直ちに公庫に届けます。
(1)自己の財産、経営、業況その他について重大な変化を生じたときまたは生ずるおそれのあるとき。
(2)自己の名称、商号、代表者、住所、営業所等の届出事項に変更を生じたときまたは生ずるとき。
3 前項第2号の届出を怠ったため、公庫からなされた通知または送付された書類等が延着し、または到着しなかった場合には、通常到達すべき時に到着したものとみなされても異議を述べません。
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借入金を借りる際、運転資金目的で借りるのか?設備投資目的で借りるのか?色々な目的があると思います。
なので、借入申込の際、銀行が認めた資金使途以外には使用してしまうと、「今すぐ貸したお金返してくれる?」となります。
資金使途の確認は借りる際、しっかりと確認しましょう!
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第2条(期限の利益の喪失)
借主は、次の第1号から第5号までのいずれかに該当した場合には公庫からの通知催告がなくても当然に、第6号から第10号までのいずれかに該当した場合には公庫からの請求によって、本借入金債務について期限の利益を失い、借主および連帯保証人は直ちに債務の全額を弁済します。
(省略)
(7) 借主が本借入金を公庫が認めた資金使途以外に使用したとき、借入後長期にわたり使用しなかったときまたは特定の融資制度の対象者要件を満たさなくなったとき。
(省略)
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今回、新型コロナウイルスの影響で初めて借入金を借りた方は、求められたときでいいかと思いますが、銀行と良いお付き合いをするためにも、銀行に「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」をしっかりしましょう★
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