相続税対策としてポピュラーな生前贈与、現金や自社株を毎年少しずつ移している方もいらっしゃるかと思います。
この生前贈与で相続税対策ができなくなると巷で噂されていますが、一体どういうことでしょうか?
解説したいと思います!
そもそも、なぜ生前贈与が相続税対策となるのでしょうか。例えば5,000万円財産をお持ちの方がいたとします。
相続人は子供2人のみ、毎年子供それぞれに110万円ずつ贈与する前提です。
(もらう人1人あたり、年間110万円まで贈与税がかからないため)
上図のように、生前にまったく贈与をしない場合、基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の人数)を引いた後の課税遺産額が800万円となり、相続税額は80万円かかります。
対して、220万円の贈与を4年間行ったのちに3年が経過すると遺産の総額が基礎控除以下となるため、相続税の申告は不要、相続税額は0円となります。
贈与税は、生前に財産を減らして相続税を免れることを防止するために、同じ財産額であれば、相続税より高い税率が設定されています。
しかし、少額の贈与から課税すると徴税事務が煩雑なため、年間110万円まで贈与税がかからないとされているわけですが、複数年にわたり贈与することで相続税を節税することが可能になってしまっています。
政府の税制調査会では、相続税の最高税率は55%だが、贈与税の申告をする方の90%以上が贈与税率10%~20%の少額の贈与となっており、贈与税が相続税逃れの抑制になっていないと問題視しています。
そのため、以下のような改正を検討しているのではないかと考えられます。
早ければ来年度予算の開始時期の令和4年4月以降、改正・適用される可能性があり、生前贈与は今年がラストチャンスかもしれません。
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