税理士・社労士 安井伸夫事務所

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贈与税とは?

個人が他の個人から財産を貰った時にかかる税金を贈与税といいます

なぜ贈与税があるかというと、相続税という制度がある為です。

人が亡くなると、誰がどの財産を相続するのかという問題が発生します。

亡くなった方が一定以上の財産を持っていると相続税を支払う必要があるのですが、贈与税という制度が無い場合には、亡くなる直前に持っている財産を全て誰かにあげてしまえば相続税を支払う必要がなくなってしまいます。

つまり贈与税とは、相続税を補完するために存在する税金ということです。

贈与税がかかる財産とかからない財産

​贈与税の計算方法

マイホームの購入に際して父母や祖父母から現金の贈与を受けた場合

配偶者の居住用財産の特例

教育資金非課税贈与

結婚・子育て資金の一括贈与時の非課税

​贈与税が掛かる財産と掛からない財産

​贈与税がかかる財産

1.個人が他の個人から無償でもらった財産

 現金預金・土地建物・株式など

2.保険金を受け取った場合

ⅰ保険料を負担していないで満期保険金を受け取った場合

ⅱ亡くなった方や保険金を受け取った人以外の人が保険料を支払っていて、死亡保険金を受け取った場合

 

3.低額譲渡

 著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合

4.債務免除や引き受けの場合

​贈与税がかからない財産

1.扶養義務者相互間の生活費や教育費などの贈与

2.一般的なお祝い・香典・お見舞いなど

3.離婚時の財産分与

4.宗教的なもの(仏壇・お墓など)

5.法人からもらったもの懸賞金など(所得税の一時所得として課税されます)

6.政府により非課税とされているもの

 

​色々と細かい規定がありますので、気になる方は国税庁HPをご覧ください

http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4405.htm

 
 

​贈与税の計算方法

贈与税を計算する際には『暦年課税』と『相続時精算課税』のどちらかを選択することが出来ます。

以下で暦年課税と相続時精算課税制度を説明しますが、それぞれメリット・デメリットがありますので、いつどちらの制度を採用した方が良いのかは充分にご注意ください。

当事務所にご相談いただいても結構です。

暦年課税贈与

暦年課税贈与とはその年の1月1日から12月31日までの間に貰った財産に対して計算する税金となります。

ただし、平成27年以降は誰から財産を貰ったかによって計算方法が異なることとなりましたので、注意が必要です。どのように変わったのかと言いますと、「特例贈与財産」と「一般贈与財産」の2つに分けられています。

「特例贈与財産」

その財産の贈与を受けた年の1月1日時点において20歳以上である個人がその父母や祖父母から財産を貰った場合が該当します。

特例贈与財産用の税率表

「一般贈与財産」

「特例贈与財産」以外の場合をいいます。

一般贈与財産用の税率表

誰かから財産を貰ったらすぐに贈与税がかかるというわけではなく、税金がかからない非課税枠として1年あたり110万円の基礎控除額というものが設定されています。以下で財産を贈与された際の贈与税の計算方法を紹介します。

①一般贈与財産の場合

Aさんが兄から500万円を贈与された場合の計算方法

(500万円―110万円(基礎控除額))=390万円

390万円×20%―25万円=53万円

 

②特例贈与財産の場合

30歳であるBさんがお父さんから500万円贈与された場合

(500万円―110万円(基礎控除額))=390万円

390万円×15%―10万円=485,000円

 

その年によっては一般贈与財産と特例贈与財産の両方を贈与される場合もあるかと思いますが、その場合には計算方法がややこしいので、下記の国税庁の計算方法をご参照ください。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

相続時精算課税制度

一般に年齢が高い世代よりも若い世代の方が消費意欲が旺盛と言われています。

しかし、若い世代にはお金が無く、かといって多額のお金を贈与するとそれ相応の高い贈与税がかかってしまい、多額のお金が必要な世代に必要な手元資金が無く消費が鈍り、経済が上手く循環しないといった社会的な問題を解決するために相続時精算課税制度が制定されました。

 1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子や孫が贈与を受けた場合には、贈与者一人につき一生涯で累計2,500万円までの贈与については贈与税をかけないといった制度です。

2,500万円を超えた部分に関しては一律20%で課税されます。

贈与税はかかりませんが、財産をあげた人が亡くなった場合には、その貰った財産を相続財産に含めて相続税を計算し直す必要があります。

また、一旦その方からの贈与について相続時精算課税制度の適用を受けた場合には、暦年課税贈与に戻ることは出来ませんのでご注意ください。

相続時精算課税制度を使った場合の計算例

①Aさんが平成×1年に父から1,000万円を贈与される。

この1,000万円の贈与に相続時精算課税制度を適用し贈与税申告をする。

【 贈与税 】0円

【 累計額 】1,000万円 

【非課税枠残】1,500万円

 

②Aさんが平成×2年に父から1,000万円贈与される。

この1,000万円の贈与に相続時精算課税制度を適用し贈与税申告をする。

【 贈与税 】0円

【 累計額 】2,000万円 

【非課税枠残】500万円

 

③Aさんが平成×3年に母から1,000万円を贈与される。

ただし、この母からの贈与には相続時精算課税の適用は受けず暦年課税贈与を選択する。

【 贈与税 】

1,000万円―110万円=890万円…課税額

890万円×30%―90万円=177万円…納付額

 

④Aさんが平成×4年に父から1,000万円を贈与される。

この1,000万円の贈与に相続時精算課税制度を適用し贈与税申告をする。

相続時精算課税制度の対象となった金額が累計で2,500万円を超えてしまったため、2,500万円を超えた500万円に対して20%の税率で贈与税が課税されるため、100万円の贈与税が課税される。

【 贈与税 】100万円

【 累計額 】3,000万円 

【非課税枠残】0万円

 

⑤平成××年父が亡くなる。

父が死亡時点で所有していた財産に相続時精算課税制度の適用を受けて贈与された3,000万円を加算して相続税を計算。

ただし、計算された相続税から×4年の贈与で納付した100万円の贈与税を控除して相続税の納税をすることとなる。

【父から受け継ぐ財産】2億円 

【相続時精算課税の適用額】3,000万円

【2億3千万円に対する相続税額】6,060万円

相続税額-相続時精算課税で支払った贈与税額=納める納税額

6,060万円-100万円=5,960万円…納める相続税

マイホームの購入に際して父母や祖父母から現金の贈与を受けた場合

マイホームを現金で一括購入といったことが出来ればやってみたいものですが、一般的には住宅ローンを組んで購入するケースが多いと思います。

その住宅購入の際に父母や祖父母から資金援助を得られることもあるようです。

このようなマイホームの取得のための現金預金の贈与の場合には一定額まで贈与税が非課税となる制度があります。

しかし、この非課税となる金額は一定ではなく、その贈与を受けた年や取得する住宅・支払わないといけない消費税率によって非課税額が異なりますので注意が必要です。

マイホームの取得にかかる消費税等の税率が10%である場合

下記2以外の場合

上記の表により非課税の範囲に収まったとしても、この制度を適用するためには贈与税の申告の必要がありますのでご注意ください。贈与税の申告を行わないままだと上記の非課税枠の適用を受けていないこととなりますので、通常の暦年課税の贈与を受けたこととなり多額の贈与税の納税をしないといけなくなります。必ず贈与税申告を行いましょう。また、この制度に関しては細かい規定が多く設定されていますので、詳しくは国税庁HPをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4508.htm

 
 

配偶者の居住用財産の特例

配偶者の財産形成を促進するために、婚姻期間が20年以上である夫婦間で居住用不動産(土地建物)もしくは居住用不動産を取得するための預貯金の贈与が行われた時には、2,000万円まで贈与税が課されないといった特例です。基礎控除額の110万円も適用可能なので実際には2,110万円までは贈与税が課されません。

メリット

将来的に住んでいる土地建物を売却する場合には所得税の特例(居住用財産の3,000万円控除)を受けることも可能となり、売却時の税金面で有利となる場合もあります。

デメリット

贈与税が課税されないと言っても不動産取得税や登録免許税といった税金は課税されますのでご注意ください。

また贈与の際には相続の時よりも不動産取得税や登録免許税といった税金が高くなりますので、相続税が全くかからないといった場合にはこの制度は使わない方が良さそうですね。

教育資金非課税贈与

平成25年度税制改正において教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が創設されました。

この制度では30歳未満の子供や孫への学費や塾などの教育資金を非課税にて一括贈与することが出来ます。

教育資金として使途を限定して1人1,500万円までであれば贈与税を支払うことなく贈与することが出来ます。

メリット

祖父母や父母が病気で子や孫が成人するまで生存が難しくこのままでは相続税がかかってしまうといった場合にこの制度を使って一定金額を贈与することで相続税を軽減しつつ、子や孫の為にお金を残すといったご本人の意思に沿った資金活用が可能となります。

デメリット

贈与したお金は信託銀行などの金融機関へ預け入れてお金を使うたびに領収書等を付けて金融機関へ請求することになりますので、少し使い勝手が悪いかもしれません。

また、贈与税がかからない財産として「扶養義務者相互間の生活費や教育費などの贈与」を掲げている通り、本来教育資金は贈与税の対象外となっていますので、この制度を使わないとどうしても贈与税がかかってしまうといったものではありません。

そのため、メリットで記載したような状況でなければあえてこの制度を使う必要はないかと思います。

贈与を受けた人が30歳になった時点で贈与を受けた資金を使い切らなかった場合には、通常の贈与税が課税されますので、30歳までに使い切れる額の贈与に留めておく必要があります。

 
 

結婚・子育て資金の一括贈与時の非課税

平成27年度税制改正において結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が創設されました。

20歳から50歳未満の子や孫への結婚・子育て資金を非課税にて一括贈与することが出来ます。

結婚・子育てに資金使途を限定することで1人1,000万円までであれば贈与税を支払うことなく贈与を行うことが出来ます。

ただし、結婚に関する費用は300万円までに限定されています。

メリット

教育資金非課税贈与と同様に従来から非課税とされていたところでありますが、両親や祖父母が病気などで将来結婚資金を負担しようと思っているのだが、それまで生存が難しい場合などに使うと良さそうです。

デメリット

この制度でも教育資金非課税制度と同様に資金を金融機関に預ける必要がありますので、自由にお金を使うことが出来ないといったところがデメリットとなります。

また、内容によって資金を引き出すことが出来るケースと出来ないケースがありますので、ご注意が必要です。

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結婚に関する費用

「挙式・披露宴費用」「新居関連費用」

子育てに関する費用

「不妊治療費用」「出産費用」「子の医療費」「保育園・幼稚園費用」

 

​細かい規定等々ありますので、この制度を利用される際には、早めにご相談ください。